歯科医師の国家試験を受けて合格すれば、歯科医師免許証が与えられます。

  歯科医師であれば、口腔外科でがんの手術をしたり、抜歯をしたり、虫歯の治療をしたり、入れ歯を作ったり、インプラント治療をしたり、矯正治療をしたり、小児歯科医として子供の虫歯を治したり………

 何をしても問題ないわけですが、さらに専門性を求めて1つの得意分野を極めていく場合があります。 私も卒業する前には何がしたいのか日々考えを巡らせておりました。 国家試験を受けた後、卒業したての者にとってすぐに患者さんの治療ができる訳ではありません。技術的にも未熟ですし、経験もないからです。 そこで、国家試験を受けた後、大学に残って研究をしたり、一般開業医で働いたりいろいろ経験を積むのですが、私は縁あって矯正治療を勉強することにしました。 大学の矯正科に残ったきっかけは、当時講師の先生が私に熱く語ってくれた次の言葉が深く心に突き刺さったからです。 「矯正治療は楽しいよ。虫歯の治療と違って患者さんと家族のように長い付き合いができるよ。小学生の頃から何年間も通って、その子の成長が見れるのがとても楽しいんだよ。」 もちろん、虫歯の治療であっても家族のように長い付き合いができる場合もあります。でも、何年間も月に1回治療が続くと言うことありません。 僕はこの言葉にいたく感動し、矯正科に残りたいなと思うようになりました。 針金を曲げるのは得意ではありませんでしたが、毎日同じことをしていると慣れるのに時間はかかりませんでした。 私は今でも矯正治療の分野に進めたことをとても感謝しています。